JAM Project特集Part2! 奥井雅美インタビュー

JAM Project特集第2弾! アニソンマガジン Vol.4でインタビューさせていただいた奥井雅美。アルバム『大奥』やJAM Projectでの活動について、誌面に載せきれなかったお話を、axiveで公開いたします!


―― 先日、JAM Projectの埼玉公演を観させていただきまして。「No Border」ではダンスを披露されたりと、ここにきて新たな挑戦しているという印象だったのですが。

奥井  ダンスは長老(影山ヒロノブ)が最初に言い出した事なんです。踊りというか、フォーメーションを見せたいと言っていて。影山さんは洋楽も邦楽もすごく聴かれるんですが、そんな日常の中で得たモノ? を自然に形にしよう! となるのでしょうね。良いモノはJAMに活かしたい! と。どうすればJAMをもっと大きくできるかを常に考えているんですね。それは、”売れたい”という意識よりも、”世の中を変えられる力が欲しい”っていうのかな。やっぱり大きくなれば影響力も強くなるでしょうし。もちろん責任感も伴うことですが、せっかくやるからには進化して頑張りたいという意識なんですね。それで「ちょっと踊り的な……」ということを言い出したんです(笑)。私は少々ダンスをやっていたからいいんですけど、とにかく福ちゃん(福山芳樹)とダニー(きただにひろし)が心配だなと(笑)。(松本)梨香ちゃんと遠ちゃん(遠藤正明)は踊れるのを知っていたんですけど。でも、完璧にカッコ良くダンスが踊れることよりも踊りをやるということに意味があると思ったんです。普通は「みっともないし、いちいちそんな事しないで普通に歌ったらいいじゃない」ってなると思うんですよ。でも、ライブのアンケートを見ても若い人がすごく多いんです。なんでそういう人たちが応援してくれるのかっていうのを一生懸命考えたら、私たちは周りにいる普通の大人と違うんだろうなと(笑)。なんというか、いい意味でバカな大人なんだと思うんです。あえてそういう新しい事に挑戦できる、みっともなくてもやってしまうというところとか。

―― 一方、ステージングなどについては昨年の『JAPAN CIRCUIT』よりもさらに自然体に、自由度が増した印象があったんですね。

奥井  個人的には、去年よりも今年の方がステージを楽しんでます。バンドが若いっていうのもあると思いますね。あそこで後ろに大物ミュージシャンがいるのと、パっと見たらMACARONI☆君とかがやっているのは感じが違うというか(笑)。あとはリハをたくさんやりました。今回はすごくリハの日数を取ってもらったので、みんなで歌詞も覚えて練習もたくさんできたから、本番で変な意識をしないでよかったんだと思うんですね。自然に出てくるというか。あとは、いい意味での自信じゃないですかね。おかげ様でチケットも売れて、海外に行くことも発表してからのライブだから、みんなもやっぱりJAMに期待してくれているのかな? みたいな。そういう責任感とかがすべて自信に変わって。変な意味での気負いやプレッシャーにならずにできているのかもしれません。私はそうですけどね。

―― 楽しそうだというのは、非常に感じました。客席にもそれが伝わって、全体的な一体感が生まれていたように思えます。

奥井  確かに一体感はありますね。前回よりも世界に向けて”No Border”でやっていこうよというような。よくミーティングをするんですけど、「ここはもっとこうした方がいいんじゃないか」とか「ここはこうするべきだ」みたいなことを以前よりもみんなで言い合えるようになりました。言われた人は頑張らなきゃ!って思えるだろうし、すごくいい感じになっている反面、すごく厳しくもなっているのもあります。

―― さて、このたび15周年記念アルバム『大奥』をリリースされました。主にevolutionを立ち上げてからのキャリアを振り返るという内容になっていますが、サウンドの進化という意味でも非常に興味深い内容でした。こういった硬質なサウンドは「zero-G-」あたりから作られていると思うのですが、この出発点はどこからだったんでしょうか。

奥井  一番大きいのは、タッグを組んだ相手がMonta君だった事ですね。彼がDaichi(鈴木 Daichi秀行)君とか、MACARONI☆君とかとバンド仲間だったんですよ。彼らは「アニメの歌はこういうサウンドだ」っていうような変な枠を決めていない人たちで、私が以前、矢吹(俊郎)さんたちとやった時に「アニメの歌でダンスミュージックをやる人っていないな」とか「こういう作りのコンサートをしている人がいないからやろうよ」とやっていたのと同じように、彼らが得意な音楽で、私にとってもまた新しいものをやろうと。さらに、女性のアニソンシンガーと言われている人で、そういうサウンドをやっている人が他にいなかったのもあって、やろうと思ったんですよ。やっぱり、常に誰もまだやっていないことをやっていきたいと思っていたので。

―― もともと奥井さんとMontaさんが始めて、そこにDaichiさんやMACARONI☆さんが入ってきたという。

奥井  そうですね。まだキングさんにいた頃は、私は大先輩のミュージシャンの方たちと曲を作っていたんですけど、そんな時に自分に足りないものはなんだろうと思ったら、若さと、荒削りなちょっと危うい感じのものだと思ったんですね。その時に、Monta君が私のライブサポートメンバーのギターとして入ってきたので、そういう流れからアレンジをやってもらったりするようになりました。そこから始まったんですけど、最初はまだ「zero-G-」とかのような過激な曲はやらない方向だったんです。それが、変えていくところは変えて、残すところは残しながら進化させて行きたいなーって。もともとレーベルもそういう意味で”evolution”という名前にしたので。evolutionで1曲目の「Olive」はDaichi君に頼んだんですけど、これはまだ尖がった曲ではないですね……どういう経緯で頼んだんだっけ?

Monta  『ReBirth』という、キングさんで最後に出したアルバムがあるんですが、Daichi君はその時から入っているんです。IKUO君の曲とかも。あの辺から、若いアレンジャーとサウンドを作り出したんですね。アンテナはもうそこでピンときていたと。その後、『ReBirth』ツアー辺りからバンドが一変したんです。ロック・バンドみたいになって。

奥井  そうだ。『ReBirth』から、けっこう過激に変わったんですね。まずキングさんから『ReBirth』を出して、その先はevolutionを立ち上げ?より進化したという感じですね。

―― 今回『大奥』に収録されたキング時代の楽曲のセルフ・カヴァーなのですが、まさに今のスタイルでの新録というソリッドさがあって。特に「Shuffle」が素晴らしいですよね。ゴリゴリしているというか。

奥井  そうなんですよね。「Shuffle」はもともと、リッチー・コッツェン(ギタリスト)とビリー・シーン(ベーシスト)が参加している曲なんです。だけど、IKUO君のベースやMACARONI☆君のギターも好きなので、今回この曲を収録しました。歌もちょっと垢抜けたというか、そういう感じがするんですね。確かにゴリゴリなんですけど洗練された感じがしていて。コーラスをすごく重ねたというのもあるんですけど、元曲は男声コーラスも入っていたので。今回はゴリゴリしているんですけど、サラッとしているんです。私の印象としては。

―― また、奥井さんはこの15年の間にさまざまな人へ影響を与えてきましたよね。最近の交流では栗林みな実さんや宮崎羽衣さんへの曲提供をされたりと、新しい世代との関係についてはどう思われますか?

奥井  ああ、本当『大奥』というタイトルにしちゃったくらいなんですけど(笑)、みな実ちゃんとか羽衣ちゃんとかは素直なので。そういう人たちを見ていると、何か分からないけど、歌を続けないといけないかなっていう。たとえば先輩がいても、「こうやったらいいよ」っていうようなアドバイスは企業秘密だったりするじゃないですか。歌の歌い方以外にも、この業界で残っていくにはこういうことを心がけた方がいいよっていうような。音楽的なこと以外のアドバイスですよね。そういう事を教えていただけない場合が自分の経験上多かったんです。でも、これからはそういうのも超えてみんなでやらなきゃいけないんじゃないかって。それもまた”No Border”なんですけど、それがどういう事かと言っても人それぞれで、羽衣ちゃんなら羽衣ちゃんの、みな実ちゃんならみな実ちゃんのそれぞれで噛み砕いて、自分で活かすじゃないですか。だから、全部が私のようになるというのでもないし、もっと進化されると思うので、どんなことも惜しまずに。私がプロデュースしている近江(知永)ちゃんにしてもそうですけど。自分は人としてというか、大人の女の人としてそうした方がいいんじゃないかなと思っています。業界のことがどうとか音楽のことというよりは……そう思います。

―― 『アニサマ』にも “No Border”にもそういった意味合いも含まれていますよね。

奥井  でも、そんなふうに思えるようになったのは本当に最近ですね。それはたぶんみんながいるからだろうなと。Monta君がいて、みんながいて、何かをしていて私が甘えている部分があると思うので。お陰で、自分の事には余裕ができるというか、生きていくことにも余裕が出るというか、そういう事なのかもしれないですね。キングさんにずっといたら、きっとかなりしんどかったと思いますね。まあ、いなかったかもしれないですし(笑)。大阪に帰ってたかも。だから、思い切って自分たちでやってよかったなと思います。

―― さて、今年はJAMの世界ツアーもありますが、その前に3月には15周年記念ライブ『15の夜』と、ソロの活動も活発に行われていますが、その後の予定はありますか?

奥井  今年は本当にタイミングがないというか。10月、11月、12月くらいにツアーをやりたいんですけど。JAMの海外ツアーのスケジュールが出ないと決められなくて。アルバムは前から少しずつやっていけば出せるとは思うんですけど、それが嬉しくも難しい問題になっていまして(笑)でも気持ちとしては、その辺ではアルバムを出したいですねー。夏に出すと早すぎるし(汗)でも絶対に出したいしツアーもやりたいですね!!ほかには何かある?

Monta  タイミングが合えばこれまで提供した曲のセルフカバー集とか。

奥井  そうだった。「KURENAI」(宮崎羽衣に提供した楽曲)とかを歌いたいんですよ。いい曲だなと思って(笑)。近江ちゃんの曲にもいっぱい歌いたい曲があるんですけど、もっと遡ればジェネオンさんから出している石田耀子ちゃんに提供した歌とかも歌いたいんです。キングさんの時は、そういうのを入れたりしたんですけど、ここ数年はそういう誰かに書いた曲をセルフカバーするっていうのはやっていないんですね。たとえば、『RAY THE ANIMATION』でさくにゃん(野川さくら)に書いた曲「KAKERA」とかも気に入っているし、そういうアニメ絡みの曲とかいろいろあるんです。お許しがあればレーベルを超えてセルフカバーをやりたいなと。

―― 『大奥』で今までのevolutionを総括したあとに出すサウンド、というところでも注目がありますが……。

奥井  あまり考えていないですけど(笑)。サウンドというよりは、私が担当しているのは、歌詞の方なんですね。曲で何を表現するかという部分を。夏からは世界を周っていろいろな世界を見て、そこで集中して歌詞を書きたいなと思っています。オリジナル・アルバムを秋に出せるのであれば。サウンドはMonta君に相談したり任せたりしながらで、感覚的に、スロー・バラードだったりやりたいものが生まれてくるかもしれないんですけど、今回はこんなふうにやっていこうみたいなのはあまり考えてないですね。キングさんの時からそうだったんですけど、心境に応じた曲というか。ただ、ライブをやりたいので、ライブ映えする曲がいいなと。今度の『15の夜』に関してだと、明るい曲をすごくやりたいんです。「Olive」がすごく好きなんですけど、そういう感じの曲とかを歌いたいです。みんなで元気になれたり、後は尖がった曲の場合は「やる時やってやる!」っていう負けん気を起こさせるような曲とか。とにかく前向きな曲を中心に歌いたいなという気もしますね。で、アルバムもそうなるのかもしれないし。でも、世界を見たらもっと大きな視野、視点から違ったものを作りたくなるかもしれない。

―― 歌詞に関しては世界を見て変わってくるところとかありそうですよね。

奥井  すごくいろいろなものに影響されやすいので、だからそうなるような気がしてならないですね。外国で影響されちゃうんじゃないかな?と。

―― JAMでもソロでも、今年は非常に重要な年になると思いますが、改めて今年の意気込みをお願いします。

奥井  健康で無事に歌いたいです。あとはこう、自分の歌っている曲とか、やっていること……作った曲でもそうですけど、誰かに良い影響を与えられたらいいなと思います。自分にできる役割を考えて、いろんな挑戦をしたいです!

JAM Project特集第2弾では、松本梨香さん、遠藤正明さんのインタビューも掲載予定!
ご期待ください!





2008年04月01日

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