2007/11/03 クラブ・イベント【MEGA PEER】レポート
結論から先に言ってしまうと、DJにバンド、そしてオーディエンスも含めて、本当に素晴らしい、完成されたクラブ・イベントだった。というより、SOUND HOLICやIOSYS、DJ TECHNORCH、REDALiCEらが登場するイベントである。今にして思えば、【MEGA PEER】に対する筆者の認識は甘かったといわざるを得ない。それほどの衝撃を、この日(11月3日)、身をもって体験した。(文:冨田明宏)
会場となったのは、渋谷の道玄坂にあるVuenos。正面向かいにあるclub asiaと同系列のクラブで、普段はハウスなどのクラブ・ミュージックやR&B、HIP HOP系イベントが毎夜の如く開催される、渋谷のクラブ・シーンでも屈指の人気を誇る箱である。
最初のDJ、masayoshi minoshima(Alstroemeria Records)が登場した段階で、既に会場の2/3が埋まった状態。ちなみにここはMAXで500人が収容可能な箱であり、しかも時間は真っ昼間の15時。いわゆる普通のクラブ・イベントのような深夜から始まり、出だしはソコソコの客数しか入っていない状況しか知らない筆者にとっては既に想定外の光景だった。
masayoshi minoshimaのトランスを中心とした巧みなセットが続くが、スタートゆえの様子見か、発火寸前の花火のようなウズウズ感がオーディエンスにはまだ漂っていた。しかし、そんな会場を一気に熱狂させたのが、歌い手として登場した三澤秋だ。onoken楽曲などで知られる、今をときめく同人界の新たな歌姫の登場に会場はヒートアップ。ゆっくりと感情を込めながら、抑揚豊かな生歌の魅力で会場を1つに纏めていく姿は、なかなかに堂に入ったパフォーマンスであった。
続いて登場したDJはJun.A(Liverne)。東方アレンジ系の楽曲を中心に、投げるように振るう腕の動きが印象的だった。ネタ満載のVJプレイと共に、会場のテンションを徐々に上げていく。
続くTsukasa(Sound Online)も、東方アレンジやLast Regrets (Tsukasa Remix)など人気曲のミックス、そしてオリジナル楽曲を巧みに繋ぎまくる。この頃には既に満員御礼、写真撮影の為に後方に回るのも困難なほどにオーディンエンスで溢れ始めていた。
続いてはバンド・セット登場の正面衝突。同人音楽の黎明期から活動するタマイ神、タケポンを中心とした車系ゲーム楽曲のアレンジバンド……なのだが、そのジャンルは実に多岐に渡っていた。そして何より、演奏が上手い。フュージョン系のギター・サウンドに、ファンキーなスラップ・ベース、時おりプログレ調な旋律を奏でるキーボードプレイ等など、サウンド以上に情熱的で魅せるステージ・パフォーマンスを前に、体を動かす事も忘れて見入っていたオーディエンスも多かった。アンコールで歌われたタケポンの弾き語りオリジナル曲、「親知らず」は筆舌に尽くしがたい名(迷)曲!
そして、WAVEのコンポーザーMorriganが登場。ダークかつゴシックなムードを纏い、エクスペリメンタルなドラムンベースにハードコア系サウンドを畳み掛け、言い知れぬ緊張感を演出。オリジナリティー溢れるDJセットはまさに圧巻だった。
Morriganが生み出した暗鬱なムードから一変、キュートな歌い手と共に登場したのがSOUND HOLIC。その名の通り中毒性の高いブリンブリンなトランス系東方アレンジで、会場は瞬く間に沸騰! 彼ら目当てだったオーディエンスも多かったようで、白熱したコール&レスポンスも見事に決まる。終始テンションを下げる事の無い熱狂的なパフォーマンスが印象深かった。
そしてここで真打ち、この【MEGA PEER】の主催者の1人でもあるDJ TECHNORCHが登場。海外でも熱烈な支持と高い評価を集める彼のハードコア・サウンドは、まさに全方位型と呼ぶに相応しい音楽性を内包。暴力衝動としてのダンス・ミュージックを、極限まで突き詰めた結果辿り着いたが如きそのサウンドは、気付けば階段の踊り場まで一杯になっていたオーディエンスの体を揺らし続けていた。「みくみくにしてあげる♪」などニコ動ネタの破壊力も抜群で、まさかの会場大合唱も巻き起こった。
そして、今回話題性で言えば群を抜いていたのがご存知、IOSYSだ。パフォーマンスを行ったのはquimとmikoで、DJはIOSYS作品にも参加するREDALiCEが担当。ニコニコ動画でお馴染みの名曲「患部で止まってすぐ溶ける ~ 狂気の優曇華院」や、「魔理沙は大変なものを盗んでいきました」などが披露され、当然の事ながら背後のモニターには例の動画が流される。観客も大合唱に次ぐ大合唱!その一糸乱れぬコール&レスポンスの凄まじさは、今最も人気を集める同人サークルのステージを象徴するものとして記憶された。
そしてラストは勿論この人、【MEGA PEER】主催者REDALiCEだ。「チーターマン」「あんこ入りパスタライス」などのニコ厨必殺のネタものや、「You(Hardcore Remix)」、「鳥の詩(Hardcore Remix)」など、国歌級の名曲をハードコアに昇華させたミックスで、会場は完全に祭り状態! そしてオーディエンスを煽りに煽り、ひたすらに煽りまくるパフォーマンスは最早さすがの一言。このイベントのラストを飾るに相応しいセットで締めくくった。
とにかく最後まで凄まじい迫力と勢いで駆け抜けた今回の【MEGA PEER】。運営側の手際の良さも含めて、今後の同人音楽系クラブ・イベントのモデル・ケースとしての役割も担って欲しい、と思うほどに完成されたものだった。オタクに優しい環境とは言い難い場所ではあったものの、今後この様なイベントが各所で頻繁に行われてくれる事を、切に願いたい。
【関連サイト】
同人音楽総合イベント MEGA PEER -メガピア-




























