“Barbarian On The Groove”Wightロングインタビュー!

大活況の同人音楽シーンの中でも、独創的で一際高いクオリティーと、ハイペースなリリースを続ける“Barbarian On The Groove”。ストーリー・コンセプトCD『Doragon Valley』シリーズを完結させたばかりの彼らが、次の冬コミで見せる新作とは? 制作真っ最中でテンパった状況にも関わらず、快くインタビューに応えてくれたのはWight氏。いきなり話が脇道にそれながらも、終始楽しいインタビューでした。(文:冨田明宏)


――  (しばらく雑談で盛り上がる)……ではそろそろ、 本題の新作の話に入りましょうか。

Wight  よろしく! でも、ここからいきなり口数が少なくなるかもなぁ……。

――  ちょっ、何でですか! ちゃんと しゃべってくださいよー(笑)!

Wight  いやー、いろいろと思い悩むんですよ、この時期は。制作中でもあるから、作品の全体像が見えそうで見えないような感じで、実に混沌としていて(笑)。

――  そういう微妙な時期のインタビューで申し訳ないです! しかし、事前に頂いた資料にも「脳内曼荼羅」とか書いてあって、かなり混沌としていましたよね(笑)。締めの言葉が「God only knows」(神のみぞ知る)という、by ブライアン・ウィルソンな締めで終わっていて笑いましたよ(笑)。

Wight  それ書いた時に丁度、ビーチボーイズの『ペットサウンズ』を聴いてたんですよ(笑)。

――  あ、ホントに「 God only knows 」聴いてたんですね(笑) !

Wight  個人的には『サーフズ・アップ』の方が好きなんだけど。

――  確かに両作品とも「脳内曼荼羅」状態ですね(笑)。

Wight  確かに(笑)。さぁ! 真剣に答えます! 何でも聞いてください!

――  了解です! やはり、『Dragon Valley(以下DV)』シリーズが『Arco-Iris』で完結したというところで、次回作のコンセプトには相当悩まれたと思うんですよ。大きなコンセプトを持った作品が終わった後って、どのアーティストも次の方向性に悩むので。

Wight  確かにメンバーとは長いミーティングはしましたね。ただ、メンバー3人とも「どんなアルバムを作ろうか?」というのを考えるのが大好きなので、全く苦ではないんですけどね(笑)。

――  なるほど。どのような話し合いがされましたか?

Wight  『DV』3部作は、作っているうちに作品の世界観に自分達でのめりこんでいった感じがあったんです。「世界観を表現するためにどう曲を書くか?」というところを、3人ともとても強く意識していたんですよ。「もっとできる、もっとできる」と。だから、無事に終わらせる事ができた達成感みたいなものはあったけど、その代わりに、かなり疲れたんですね(笑)。なんていうか、役に入り込み過ぎた役者さんが、しばらくその役から現実の自分に戻ってこれない、みたいな。

――  なるほど。気付いたら精神的にも肉体的にも、かなり疲労がたまっていたと。

Wight  マスタリングの時に、「泡沫」まで3人で聴き終わったら、『あしたのジョー』みたいになっていたんですよ。「終わった……なにもかも……」みたいな。あ、これ力石じゃん(笑)。

――  (笑)。 しかし壮絶ですね! では、冬コミ後はしばらく虚脱したような状態で?

Wight  先ほどの例でいうと、すごく個性的な役を演じ終えた俳優さんが、その役を一度リセットして、自分の俳優としてのあり方をもう一度見つめ直そうとしている、と。そんな感じで。それが今回のスタートだった気がしますね。

――  それが、事前に頂いた資料にもあった「原点回帰/Get Back」だったという事ですね?

Wight  そうなんです! それで、すごくいい感じのはずだったんですよ! 作品を作り出すまでは!

――  やはり、今は制作が難航されていますか?

Wight  あのですね、ハタと気付いたわけですよ。「あれ? どれが原点?」って(笑)。

――  (笑)。

Wight  「あれ? どれも原点じゃん!」

――  (笑)。 結成当初から、コラージュの音楽性を志向されてきたわけですからね。無理もないですよ。

Wight  まさに! そうなんですよね……。

――  その志で作り始めたら、きっと 一番の大作になりますよね。

Wight  そうそう。“原点回帰”ということは、「BOG最新フォーミュラはこれだ!」と、自ら言ってしまうことになるんですよね。だから、それはヤバイと。そんなこと気軽にできません! みたいな(笑)。無駄な責任感というんですかね。

――  そこで「脱力思考のまま次回作を作る事に決めましたー」と(笑)、開き直らないところがBOGの3人らしくて、実に良いですよね。一般的に、大きなコンセプト・アルバムを作った後ってガクッとクオリティーが下がる事って多いじゃないですか。

Wight  そうですよね。でも、今話したあたりが、制作開始から中頃の、ビビッていた時期という感じ。その後、作っていくうちにまた見えてきたんですよ、方向性が。

――  おおー、なるほど! では改めて、見えてきた次回作の方向性は?

Wight  改めてですね、1曲1曲を自分たちのニュートラルな感覚で作ってみようと思ったんですよ。以前までの作品で表現していたものを、今の自分達の感覚で再構築して、リニューアルかつビルドアップしたものを作れないかな? と。で、制作を進めていくうちに、無関係に作った筈の楽曲達の間に何かが漂っているような気がしてきて。連作をやりとげたパワーとでもいうんでしょうかねぇ(笑)。3人が自然に、無意識に、決めていない筈の何処かへ向かっていっているような……。今は、それがいったい何処なのかを見極めようとしている真っ最中です。なんだか、3人の意識が相当シンクロしているというか……。なんか怖いですが(笑)。

――  元々、BOGはコラージュ性の高い楽曲を志向されてきたわけですが、それをニュートラルな状態を意識して制作すると、どのような音楽性が楽曲に反映されてきましたか?

Wight  まず感じることは、最初はコラージュの匙加減みたいなところにオリジナリティを見ていたと思っていたら、気がついたら自分達で意識してないうちに「BOGっぽい」ものが、漠然と出てくるようになりつつあるのかな?  みたいなことなんですよね。前に、別の本で冨田さんからインタビューを受けた時にお話した、3人の作り手が融合した擬似人格としてのBOGというか、そういうものがムクムクと頭をもたげてきたのかな? と。

――  それは興味深いお話ですよ。

Wight  例えば、民族音楽的なものが3人とも好きなんだけど、それは何処の民族? と聞けば、それはアジア的でもあり、グレゴリオ的でもあり、ネイティブアメリカン的でもあり、大陸的でもあるわけで(笑)。そういう角度で、「映像的」というイメージの元に様々な音楽が織り込まれているような、というか……。ちょっと格好良すぎるかな、これじゃ(笑)。そんな素晴らしすぎるものかどうかは別として、先の話にループしていくんですが、不確定ながら確実に、何処かに向かっている気はするんですよね。で、それは一体何処なのか? ……と、以下話がループするわけです(笑)。

――  (笑)。

Wight  とりあえず、『コスモス』でやった時のような「スパッ!」としたものではなくて、結構混沌としているかもしれません(笑)。ただ、決して楽曲が難解だという意味ではないですけど。楽曲は3人ともメロウかつポップなものがやっぱり好きなので、そこは譲れない! と。

――  BOGという3人の擬似人格が一人歩きを始めたというのは、イコール模索していた音楽性の確立に繋がるお話ですよね。非常に興味深いお話でした。あと、次回作に参加される歌い手さん達は?

Wight  現在収録した方々でいいますと、茶太さん、霜月はるかさん、カヒーナさん、みずさわゆうきさんなどですね。あと、真理絵さんにもご参加いただく予定です。加えて、初参加で古都美珠さんという方も参加されます。この方は、メンバーの古い友人の方なんですよ。もちろん、制作の行方次第では更に増えるかもしれませんが、現状ではこんな感じで。その先はまさに「God Only Knows」ですね(笑)。

――  ですよねー (笑)! そろそろ締めのお話なのですが、wightさんにBOGの2007年を振り返って頂きたいんですよ。今年は傑作『コスモス』も、DV完結もあった年ですから。

Wight  ありがとうございます! リリースした作品で言えば、「ただただ前へ!」という感じだった気がします。両作品とも、意味は違えどBOGにとってはそれぞれが挑戦だったなぁ、と思っていて。そこで鍛えてきたものを、次回作で結実させられれば「よく頑張った1年!」だったと言えるんですが……どうなるんでしょうねー?(笑)。まさに「God Only …」(以下略)。超個人的には、今年はBOGの絆を感じた年でしたね。擬似人格BOGが更に進化した年だなと(笑)。

――  益々その擬似人格の成長が楽しみですね。どんな最終形態が待っているのか? という部分で。

Wight  ねー? そうそう、あとね。この前の秋のM3で、買いに来てくれた男性の方から「札幌からきました! 応援しています! 頑張ってください!」って言われたんですよ。あの時、マジでグッ! と来たんです。「キミのためなら死ねる!」ってくらいに感動したんですよね(笑)。ありがたいですよね、だれにも頼まれてないのに勝手に作った作品を気に入ってもらえるってのは……(しみじみ)。

――  それがやはり醍醐味ですよね。とてもいいお話です。 そうそう、そういうファンの皆さんの為にも、ライヴとかやらないんですか?

Wight  ライヴ!?

――  構想はしたことあると思うんですよ。一度は話題に上がると思いますし……。

Wight  逆に、どういうライブが見たいですか?

――  普通に考えたら、生バンドでのライヴですかね。歌い手さんがドンドン出てくるみたいな。

Wight  『ラストワルツ』みたいな(笑)?

――  それカッコいい! ボブ・ディラン出てきた! みたいな感じ(笑)。

Wight  (笑)

――  あとは、DJセットでBOGの曲をノン・ストップでガンガン繋いでいって、途中途中で生演奏入ったり、歌い手が歌入れるような、オールナイト・イベントもカッコいいと思いましたよ。

Wight  ほほ~~~う、なるほどねぇ。そういう手もありますね……でもそれ、お客さん来てくれるかなぁ?(笑)。

――  いいと思いますけどねぇ。 いろいろなコンポーザーさんにリミックスして回してもらうんですよ。BOGの曲でMorriganさんのリミックスとか、聴いてみたい! みたいな(笑)。

Wight  やってもらえるかなぁー? リミックス(笑)。実は、ライブにはすごく思い入れがあって。というか、ありすぎるんですよね(笑)。だから余計に欲が深いというか。関わってくれた人、みんなに楽しんでもらいたいんですよね。お客さんも、歌い手さんも、バンドさんも、あと俺たちも楽しみたいと。

――  だからこそ、安易な感じではできないと?

Wight  そうそう。安易にやると、たぶん自分達が楽しめないだろうな、と……。

――  では気長に待ちます! その時期が来るまで。

Wight  年に3枚のペースでアルバムを作っていると、終わったら作る、終わったら作る、みたいなところもあるんですよね(笑)。 あとは時間との戦いというか…(笑) 。

――  了解です。でも、来年末あたりとか期待してますので(笑)! そうだ、次回作は何曲入りですか?

Wight  今回はいつもよりも曲数が増えそうです。製作しているうちに、このアルバムに入れたい曲が次々と……ってなんでこう自分達に負荷をかける方向にベクトルが向いてしまうんでしょうかね?(笑)。

――  (笑)。

Wight  でも、作りたいんですよ、曲……。良いアルバムが作りたいんですよ~!

――  素晴らしいです!  BOGの3人にそのモチベーションがある限り、僕はずっと聴き続けますので!

Wight  ありがとうございます!

――  それでは、本日はありがとうございました!

Wight  ありがとうございました!


【関連サイト】
Barbarian On The Groove OFFICIAL WEBSITE
http://www.astronotes.jp/bog/




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