癒月メジャーデビューアルバム『START!』インタビュー! 癒月、dai、Rioの三氏によるアルバム制作秘話!
『ひぐらしのなく頃に解』イメージソング「you」などで注目を集める歌姫、癒月がメジャーでは初となるアルバム『START!』を2月14日にリリースする。
今回は癒月本人にアルバムインタビューを敢行。また、アルバムで6曲の作曲を手がけたメインコンポーザーのdai氏、アルバムプロデューサーのRio氏にも同席してもらい、アルバム『START!』についての様々なお話をうかがうことができた。
●初のメジャーアルバム
-- 今回のニューアルバム『START!』、メジャーでは初のアルバムですが、これまで同人等でミニアルバム的なものをリリースされてきました。その違いみたいなものってありますか?
癒月 作曲家さんと二人で「雪月」というユニットを組んで、これまで2枚のCDを出したんですけど、私は歌と補佐役に専念していて、楽曲の制作は作曲家さんにお任せする形でした。なので今回のようなアルバムを作るっていうのは初めてのことで、何をしていいか全然わからなくて、すごく苦労しました。
-- そこではRioさんのフォローがかなり……。
癒月 そうですね、いろいろご相談させていただいて。どういうのが一番いいだろう?っていう話をしたときに、恋愛ものがいいんじゃないかな、っていうお話をいただいて。そこでピンと世界が見えてきて、初恋の物語にしよう、って思いました。
-- アルバム収録曲は、順番に最初から出来ていった感じですか? それともこの曲が最初に出来てみたいなのがあって、それを中心にしていったとか……。
癒月 えーと、楽曲は去年の8~9月辺りに作り始めた感じです。まず初めに表題曲「スタート」を作ってもらって、それと「はじまりの合図」っていうぺーじゅんさん作曲の曲を作っていただきました。それを他の作曲者さんに渡して、「こういうイメージで統一して作って下さい」とRioさんがいろいろやってくださって。そういう風に作っていったんで、結構バラバラだったんですよ。でも大体の流れや歌詞のイメージは、始めの内から全部出来ていました。
-- アルバムを聴かせていただいたんですけど、結構しっとりとした統一感が出ているなと感じたんです。それはやっぱり癒月さんなりの初恋のイメージっていうことになるのかなど。違ってたらすみません(笑)。
癒月 あーいえ、そんなことないです(笑)。
-- でも「スタート」なんかはかなりアップテンポな感じで、ちょっと毛色の違う感じで捉えられたんですけど。
癒月 今回のアルバムは、いろんな表情の曲があると思うんですよ。アルバム自体が起承転結で、物語風に作ってあるので、明るい曲もあれば暗い曲もあり、心の曖昧な部分を表現した曲もあり、希望の曲もあり……本当いろんなジャンルの曲が詰まっていると思います。
-- 「if」と「ぬけがら」の2曲は、癒月さんご自身が作詞・作曲をやってらっしゃいますけど、特に思い入れがあったりしますか?
癒月 今回、「作曲もしたらどう?」っていうのをRioさんに提案していただいたときに、一番どん底の部分は、やっぱり自分が書きたいなと思って。そういうのってやっぱり経験しないとわからないところってあるじゃないですか。だから「ぬけがら」は私が作ろうって思って。あと「if」に関しては、Rioさんが「ここは癒月さんにしか表現できない微妙なニュアンスだから、癒月さんが作った方が絶対いい」と言われたので、私が作らせていただきました。
-- 曲の流れを拝見していて、12曲目に「スタート」っていうのが、結構意味深な感じだなあと思うんですけど、曲順なども考え抜かれたのでしょうか?
癒月 そうですね、はい。このアルバムの始まりという意味と、あと最後に来て、これからの自分、こういう経験をして、立ち直って、さあこれから頑張ろうっていう、また新しいスタート、という意味も込めて、アルバムのタイトルを「START!」にさせていただきました。
-- その辺りは、聴いた人がいろんな風に感じてもらえればと……。
癒月 そうですね、はい。
●6曲を担当したコンポーザー、dai
-- アルバムのメインコンポーザーとしてdaiさんが参加されたということなんですけど、その参加のいきさつをお聞かせ下さい。
dai 癒月さんがメジャーアルバムを作られるというお話を、わりと早い段階でRioさんから聞いて、「素敵だなー」と思っていて、気がついたら曲を書かせていただいていた、みたいな(笑)。幸せなことだと思います。
-- 手がけられた6曲の中で、特に力を入れた曲はありますか?
dai 力を入れたと言いますか、思い入れが深いのは「スタート」です。そのときの精神状態もありましたけど、ちょっとお恥ずかしい話なんですが、泣きながら作曲していたような感じで。この曲だけはなんと言うか、思い入れは深いです。
-- それはやっぱり御自分の初恋を思い起こしたりしつつ……?
dai いやどうなんでしょうね?(笑) 曲をお聴きいただいて、感じられるものが、例えば初恋だと感じていただけるなら、それはそれで幸せですし。
Rio ラフを聴いたときに、daiさんが何か特別な想いを込めていたのは伝わりましたね。「おーすごい曲だなあ」って。その想いに応えようと、「スタート」は大きく4回ぐらい編曲しています。わざわざ自腹でフルオーケストラを生収録したりとか。結局ボツになったんですけど(笑)。「あーこれちょっと壮大過ぎる」みたいな。
dai 個人的にあれすごい好きだったんですけどね(笑)。
●プロデューサーRioが語る『START!』レコーディング
-- アルバムのレコーディングはスムーズに進みましたか? それとも……。
Rio そうですねえ、癒月さん自身が、自分のアルバムを作るっていうのが初めてというのもあって、最初の頃はなかなか感じが掴めなくて苦労しました。でも途中から、あ、こういう風にすれば癒月さんの歌っていうのがうまく録れて、うまく曲として出せるんだなっていうやり方がわかったんです。
-- と言うと?
Rio 普通のレコーディングだと、まず作曲家さんの方でバッキングを作って貰って、その曲に合わせて歌い手さんに歌って貰う、っていうのが結構オーソドックスなやり方だと思うんですよね。だけどそれだと、曲が癒月さんの表現についていけない時があったんです。癒月さんの魅力っていうのはどこなんだろうって考えたときに、やっぱり曲から感じられたものを癒月さんが自由に表現して、エモーショナルな、感情を込めて歌ったものが癒月さんの歌で、それが魅力なんだなと。なので収録中は自由に歌って貰って、その歌に合わせてまたバッキングを再調整して……例えば、もう一回ハモリを歌い直してもらったりとか、コーラスを足したりっていうような形で。普段より手間がかかっている分、癒月さん自身が歌いやすかったり、癒月さんらしい歌に仕上がったんじゃないのかなあと思います。そのやり方に気づくまで、ペースを掴むまでが大変だったよね。
癒月 ええ。
Rio なんでこう上手く行かないんだろうみたいなのが、最初はあって。
-- なるほど。そしてアルバムが完成して、癒月さん本人は、一通りアルバムを聴いてみて、満足感みたいなものはありましたか?
癒月 あ、えーと昨日トラックダウンが終わったばかりで、まだ通して聴いてはいないんですけど、やっぱり終わった後は、とても開放感というか、やり遂げた!みたいな達成感がすごくありましたね。
●水那瀬・画によるアルバムジャケット
-- こちらが今回のジャケット?
癒月 はいそうですね。
-- 絵の方っていうのは、親交のある方にお願いして……?
癒月 いえ、あの、私、今回の作品のイラストは、人間味らしい感じで素朴な絵を描かれる方に絵を描いていただきたいと思って、ずっとネット上でひたすら探し続けて(笑)。
-- あ、御自分で?
癒月 はい、自分で探して。行き着いたのが、水那瀬さんっていうイラストレーターさんで。
Rio 電撃文庫の方で挿絵とか描いてる方なんですよ。最初この企画が始まったときに、やっぱり音だけじゃなくて、ビジュアルのイメージってすごく大事だよねって話をして。で、僕の方で何人かイラストレーターの候補がいたんですけど、これは癒月さんの企画なんで、それを押しつけるのは違うだろうなと思いました。だから、癒月さんには、「とりあえず、時間かかってもいいから、自分で「この人だ!」って思えるイラストレーターさんを探してみ?」って言ったら、まあ本当真剣になって探してくれて(笑)。
癒月 (笑)。
Rio 2週間ぐらい後に「何千というサイトを見てみたんですけど、この方がいいです!」て候補にあがったのが水那瀬さんです。あ、ちょうど僕からも推そうって思ってた人だ、って。で、水那瀬さん本人に「こういう企画で、こういう音と歌を作る人なんですけど」って曲を聴かせたら、「すごく感動的な曲で、是非やりたいです」って話になりました。
-- ジャケットの絵は、指定とかされたんですか? 「初恋」っていうテーマに基づいて、とか。
Rio いや、もう企画など丸々全部詳細をお伝えして、指定すらも材料程度に捉えてもらって水那瀬さんの思うように描いて頂きました。あんまりこっちの方で指定し過ぎると、イメージが凝り固まっちゃうと思ったんです。こちらで提示した指定やキーワードを元に、自由に水那瀬さんの方でアプローチを考えて下さいって言ったら、こういうのがいいんじゃないですか?って出てきたのが、ルーズリーフを背景にして、思い出みたいな感じにして、っていう形で。そういう感じで何回かやり取りはありましたね。癒月さん結構こだわりが強いんで(笑)。
-- 納得の1枚を上げてもらったって感じですか?
癒月 はい!
●アルバムから2曲が『かみぱに!』主題歌に
-- 「二人の時間」と「スタート」はPCゲーム『かみぱに!』の主題歌ということですが、この2曲に選ばれた経緯みたいなものってありますか? 例えばクロシェットさんからそういうお話をいただいたとか……?
Rio あ、そうですね。もうこの曲がいいんで是非、みたいな形で話が来て、「おーっ」みたいな。偶然なんですけど、アルバムの方向性が結構『かみぱに!』のシナリオに合っていて、「こんな一致ってあるんだなあ」みたいな。
-- 今回の『かみぱに!』のお話が来たときは、わりと違和感なく……?
癒月 そうですね、シナリオを読ませていただいて、でも『かみぱに!』の方にはあまり歌詞を集中しないように、アルバムの方を意識しつつ、『かみぱに!』の方ともできればちょっと絡む形で作詞できればなって思って、頑張りました。
-- 発売日のタイミング的には、アルバムが出てからゲームっていう流れだと思うので、アルバムを聴いた人がゲームを買ったりだとか、まあ逆の効果みたいなのもかなり期待できて、いいんじゃないかなあと思うんですけども。
癒月 私もそう思います。
●今後の予定は……?
-- アルバム発売後に、ライヴ的なものは予定されていますか?
Rio (笑)。みなさんお聞きになりますね。
-- ファンのみなさんも、生で歌を聴きたい、っていうのがあると思うんですけども。
Rio どうですか癒月さん?
癒月 できることなら、やりたい気持ちでいっぱいです(笑)。
-- 次回作はいつ頃になりそうですか?
癒月 今は本当これでいっぱいいっぱいな感じですね。
-- 抜け殻状態みたいな。
癒月 (笑)。
-- これから蓄積していくという感じですかね。
癒月 これからのことは、これから……。
Rio これがスタートだからね。
癒月 そうです、これからがスタートなんで(笑)。
-- それでは最後にファンの方へメッセージをお願いします。
dai 癒月さんをはじめ、編曲をされたMorriganさんや、いろんな作曲家さんの気持ちが詰まったCDだと思いますので、そういったものを感じ取っていただけたら、大変幸せに感じます。
Rio 本当、制作陣一同、癒月さんのためにじゃないですけど、出し切ったところがあります。聴いてくださった方が何か感じたら、多分それが次の癒月さんの何かに繋がると思うので。新しいスタートが切れるんじゃないかなと。
-- 感想はブログ等で、と。
Rio そうですね(笑)、感想等があれば是非。それが次に繋がっていくので。
癒月 初めてのアルバム制作だったので、色々手探りな部分が多かったですが、だからこそ全力で頑張れて、曲も歌詞も歌にも沢山の思いが詰まった素敵なCDに仕上がったと思います。今回のCDは一枚で一つの物語になっているので、まずは一番から最後まで通してじっくり聴いていただければと思います。そして、聴き終わった時に少しでも共感する所や心に残るなにかがあればとても嬉しいです。
<CD情報>
癒月『START!』
2008年2月14日発売
KDSD-00181
¥3,150(税込)
発売:ティームエンタテインメント
Amazon.co.jp
01. プロローグ (作曲:dai / 編曲:Morrigan)
02. はじまりの合図 (作詞:癒月 / 作曲・編曲:ぺーじゅん)
03. ふと気がつけば (作詞:癒月 / 作曲:dai / 編曲:Morrigan)
04. ハッピースマイル (作詞:癒月 / 作曲:dai / 編曲:Morrigan)
05. あと5分 (作詞:癒月 / 作曲・編曲:HIR)
06. 二人の時間 (作詞:癒月 / 作曲:たくまる / 編曲:Morrigan)
07. if (作詞・作曲:癒月 / 編曲:Morrigan)
08. ほころび (作詞:癒月 / 作曲・編曲:Morrigan)
09. 別れの日 (作詞:癒月 / 作曲:dai / 編曲:Morrigan)
10. ぬけがら (作詞・作曲:癒月 / 編曲:Morrigan)
11. time (作詞:癒月 / 作曲:dai / 編曲:Morrigan)
12. スタート (作詞:癒月 / 作曲:dai / 編曲:Morrigan)
ティームエンタテインメント公式サイト:
http://www.team-e.co.jp/
癒月『START!』特設サイト:
http://www.team-e.co.jp/start/



























