茅原実里ライブツアー「Minori Chihara Live Tour 2010 ~Sing All Love~」追加公演 武道館ライブレポート
2010年4月10日の三郷市文化会館から始まった茅原実里のライブツアー「Minori Chihara Live Tour 2010 ~Sing All Love~」。追加公演であり最終日の5月30日には自身初となる日本武道館公演を行った。
茅原にとって初の武道館ワンマンとなった今回のライブ。グッズの物販に並ぶファンは午前中から集まっており、昼には限定Tシャツが売り切れるという人気ぶり。ファン有志によるコール本なども配られ、さながら大きなお祭りが始まる直前のような緊張感と期待感で武道館は満ち溢れていた。
それはコンサートスタッフも同様のようで、今日のこのライブを盛り上げるために茅原自身には内緒で、「純白サンクチュアリィ」が歌われ始めたら観客みんなで一斉に点灯するために、白いサイリウムが一つ一つ配られる。
ここ武道館に集まった全ての人たちの思いが一つになる瞬間が刻一刻と近づいていた。そして鳴り響く「Final Moratorium」のイントロ。同時に火柱が立ちあがり、「武道館行くぜー!」の茅原のかけ声と共に祭の幕開けとなった。
茅原は真っ赤なドレス姿で颯爽と登場。その激しく歌い上げる姿は見る者を虜にさせる。続く「Paradise Lost」では、真っ赤なサイリウムとひと際まぶしいウルトラオレンジのサイリウムで場内が埋め尽くされ、まるで早くもクライマックスかのような盛り上がりを見せる。茅原の歌に合わせてコールするファンの盛大な歌声も武道館を揺るがすかのようだ。「Flame」ではビブラートをきかせた伸びやかな美しい歌声を聴かせる。観客はすっかり魅了され、武道館は完全に一つの熱気の塊と化していた。
挨拶を挟んだ後、茅原は白いボレロのついた衣装にチェンジして、「Falling heaven’s now」をかわいらしい歌声で歌い上げる。観客も今度は青いサイリウムに持ち替え、辺り一面がブルーで埋め尽くされる。曲に合わせてファンがクラップを入れるのでそのたびにサイリウムがたなびき、まるで暗闇に咲いた青い花がいっせいにうなずいているような光景が広がった。「Love Medicine*」のサビでは、ファンは揃って振りコピをする。サビの箇所では客席に照明が照らされるので、茅原はそれを笑顔で見ながら楽しそうに歌った。「tea for two」では、観客はサイリウムではなく手拍子でリズムを取って盛り上がった。
曲が終わると、会場のあちらこちらから「みのりん!」という声援が飛ぶ。茅原が「楽しんでますか?追加公演の武道館公演になりますが……」と言うと、ファンからはまるで示し合わせたかのように「おめでとう!」という祝福の大コールが送られる。茅原は笑顔で、ツアーを一緒に回ってきたバンドメンバーを一人ずつ紹介。それから「今年に入って大きな仕事をやり遂げました」と、2月に公開された劇場版『涼宮ハルヒの消失』の話へ。『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希と出会って、声優としても歌手としても人生の中でとてもチャンスをもらったと語る茅原。そして劇場版『涼宮ハルヒの消失』のテーマソングとなった「優しい忘却」を静かに歌い始めた。会場は白いサイリウムで染まり、ワンコーラス目は、無音のなか、アカペラで歌声を披露。観客たちはしっとりと聴き入った。ツーコーラス目からはストリングスの入ったバージョンになり、こちらもとても素敵な音色を会場に響かせた。
次の曲は、これまでのツアーのセットリストには無かった追加曲となる、長門有希のキャラクターソング「雪、無音、窓辺にて。」。イントロが流れた瞬間、観客からサプライズの喜びによる大歓声が上がった。さらに茅原は、長門の口調で「武道館へようこそ」、そして曲の最後に「ありがとう」とセリフを語る。この突然の長門有希の武道館降臨に場内は大興奮。茅原の名前を一躍有名にした長門の曲をこの初の武道館で披露するというのは、単なるファンサービスだけではなく茅原自身にとっても大切なことだったに違いない。
「純白サンクチュアリィ」はスタッフの企画通り、武道館がサイリウムで純白に包まれる。白い空間のなか、茅原は堂々としたたたずまいで確かな歌声を届けた。茅原がステージから一旦退場し、バンドメンバーによるインストナンバーが披露された。再び登場した茅原は紫のゴージャスなドレスを身にまとい、「孤独の結晶」をエモーショナルに表現。「雨音のベール」ではピアノの切ない旋律に合わせた茅原の透き通るような歌声を聴かせる。茅原のライブでは何より彼女の様々な歌声を聴けることが魅力の一つと言えよう。カッコいい曲では太く響く声で聴かせ、かわいらしい曲ではひたすらかわいい声で、そしてこの「雨音のベール」のようなミディアムなナンバーでは心に染み渡るような歌声を披露してくれる。
「サクラピアス」「PRECIOUS ONE」とメロディアスな曲が続いたところで、茅原のライブ名物である旗振りが楽しめる「Lush march!!」がスタート。武道館に9000本の旗がいっせいに振られる光景が圧巻だ。茅原も一緒に旗を振ってめいっぱい楽しんだようで「みんな上手だね!Lush march!!最高!」と笑顔で曲を締めた。
ここからはツアー各会場で日替わりで演奏されたメドレーを、武道館公演ではその9曲全てをメドレーにしたスペシャルメドレー。「Last Arden」でゆっくりと始まり、「too late?not late…」でエンジンがつき、「Voyger Train」ではフルスロットル全開。そして「輪舞 -revolution-」では最高潮の盛り上がりを見せた。
メドレーが終わると、茅原はブラックのトップスにシルバーのスカート姿に着替え、スモークが焚かれた幻想的な雰囲気のなか「animand~agitato」を熱唱。ここからは後半戦で、一気に「君がくれたあの日」「書きかけのDestiny」「愛とナイフ」「覚醒フィラメント」といったアッパーチューンをこれでもかとたたみかける。ステージ上を自由自在に動き回り、歌を声だけでなく身体でも表現。火柱が立ち上がったり、四方八方にレーザー光線が飛び回るなど、終盤に向けて武道館は熱狂の渦へと巻き込まれていった。そして「みんな今日は来てくれてありがとう!次で最後の曲です!日本武道館行くよー!」との声で繰り出されたのは「Perfect energy」。特効で銀テープがアリーナへ噴出。茅原は元気よくそしてかわいらしく歌い、これ以上ないくらいの一体感に包まれて本編は終了した。
迎えたアンコールでは、ツアーTシャツに落ち着いたブルー色のロングスカート姿で登場。「まだ歌っていいの?」との問いに、会場からは当然ながら大喝采が起こる。「それじゃ、2010年始まりのこの曲を歌う!」と言って飛び出したのは「Tomorrow’s chance」。場内はウルトラオレンジのサイリウムで埋め尽くされた。「Contact 13th」ではポップなサウンドに乗りながら、観客は左右に手を振って曲を楽しんだ。
MCとなり、まずは発表を2つ。1つは7月21日にニューシングル「Freedom Dreamer」がリリースされることの報告。もう1つは8月7日、8日にサマーキャンプ2の開催が決定したことを伝えた。それから今回のツアーのことに話題が移り、様々なことがあったけどあっというまの2カ月だったと振り返る。そして、「この日本武道館は本当に憧れの場所で自分が立てるとは思わなかったです。どうにもならない時期もありましたが、それでも歌手を諦めきれずに頑張ってきて、それを支えてきてくれたスタッフや応援してきてくれたみんなには本当に感謝です。なんて言葉にしていいかわかりません」と感極まり涙ながらに話す一幕もあった。そんな彼女の姿をファンが大きな声援で包むと、「みんなも辛いこととかいっぱいあると思う。でも、人生は前にしか進まないから、顔を上げて前に進んでほしいです。そんな毎日のなかで、私の歌が少しでもみんなの力になってくれてると信じてこれからも歌っていきたいと思います」と笑顔で前を向いて自身の言葉を語った。
ラストの曲は、茅原自ら作詞を手がけ、ありったけのありがとうの気持ちを込めたという「sing for you」。ピアノとストリングスに合わせて静かに歌い上げる。観客もそれを見守るかのようにサイリウムも振らずに静かに聴き入っていた。茅原の口から紡ぎ出される詞の一つ一つを心で受け止めているようだった。曲が終わるとひと際大きな拍手が沸き起こり、幸せな空気で満たされた。
歌い終わると茅原はバンドメンバーとラインナップし、ライブは無事終了した。別れを惜しむように何度も何度もステージからファンに向けて手を振った後、マイクを通さずに生声で「みんなありがとう!みんな大好き!」と言って、投げキッスをしてステージを後にした。
ステージに残った銀テープには以下のように書かれていた。
「夢の武道館、一生忘れません。本当にありがとう! 実里 2010.5.30」
日本武道館ワンマンライブという大きな目標を達成した茅原実里。しかし、彼女のポテンシャルはさらなる広がりを見せている。今回のライブは茅原の歌手としての活動の大きな一歩、通過点と考えてもいいかもしれない。今後の彼女の活動に期待していきたい。まずは8月にあるサマーキャンプ2を楽しみに待とう。
<セットリスト>
01. Final Moratorium
02. Paradise Lost
03. Flame
04. Falling heaven’s now
05. Love Medicine*
06. tea for two
07. 優しい忘却
08. 雪、無音、窓辺にて。
09. 純白サンクチュアリィ
10. 孤独の結晶
11. 雨音のベール
12. サクラピアス
13. PRECIOUS ONE
14. Lush march!!
15. メドレー
Last Arden
~too late?not late…
~Voyger Train
~mezzo forte
~FUTURE STAR
~輪舞 -revolution-
~Melty tale storage
~蒼い孤島
~詩人の旅
16. animand~agitato
17. 君がくれたあの日
18. 書きかけのDestiny
19. 愛とナイフ
20. 覚醒フィラメント
21. Perfect energy
アンコール
22. Tomorrow’s chance
23. Contact 13th
24. sing for you
茅原実里公式サイト:
http://chiharaminori.jp/



























