念願の武道館ライブ! 『GRANRODEO 5TH ANNIVERSARY LIVE AT 武道館 ~G5 ROCK★SHOW~』レポート

5年という期間が長いか短いかは、人それぞれ。だが事実として、GRANRODEOは結成5周年を迎えた今年、念願の日本武道館公演を実現した。KISHOWとe-ZUKAという2人のモンスターがついに辿り着いたひとつの到達点。そんな彼らが『GRANRODEO 5TH ANNIVERSARY LIVE AT 武道館 ~G5 ROCK★SHOW~』と名づけたかの地で、いったいどんなサウンドが鳴らされたのか? 2010年5月3日に行われた、記念すべきロックンロール・ショーを徹底レポート!
(文/澄川龍一)


アーティストなら誰もが夢見るであろう、日本が世界に誇るロックの聖地、日本武道館。KISHOWとe-ZUKAの2人もまた、“LIVE AT BUDOKAN”を夢見ていたクチだ。そんな2人がGRANRODEOを結成して5年という今年に、ついに武道館のステージに立った。開演前、いままで彼らが単独で開催したどのライブより、巨大なステージを目の当たりにしていやがおうにも胸が高鳴る。彼らはここで、どんなロックンロール・ショーを見せてくれるのか。

そんなドキドキ感は、会場が暗転してステージ上段に人影2つが現れた瞬間、一気に最高潮へと達した。武道館というステージにどっしりとたたずむKISHOW、そしてピアノを前に座るe-ZUKAの姿。そしてe-ZUKAが鍵盤に指を滑らせて美しい旋律を奏でる。それはやがて、あのイントロへと繋がっていった。GR栄光の5周年を祝う、そして『GRANRODEO 5TH ANNIVERSARY LIVE AT 武道館 ~G5 ROCK★SHOW~』の幕開けを飾る「We wanna R&R SHOW」だ。ほんの数年前、2人が出会い、2人から始まり、やがてさまざまな人々を巻き込んで巨大化していったGRが、武道館のステージをたった2人でスタートさせる。なんとニクい演出だろうか。そして、KISHOWの「さあ今!」というフレーズとともに、一気にバンド・サウンドが加わる。その瞬間、ステージ上にある無数のライト(本当にすごい数だ)が一気に点灯し、ステージがまばゆい光に包まれた。これまで数々のロック・レジェンドがそうしてきたように、彼らはこのステージを、この上なくゴージャスなものにしてしまうつもりだ。

終盤の「夢を叶えたとさ」を「ライブハウス武道館へようこそ!」と変え、まるでフィナーレのような祝福感とともにステージは幕を開ける。もちろん、これで終わりであるはずがない。アウトロの残響音のなかから聴こえてきたのは、「Infinite Love」の瑞々しいまでのイントロだ。美しいまでのメロディーと、現在のGRらしいボトムの強いサウンドが極上の融合を果たした、初期GR屈指のアンセムに客席は興奮のるつぼに陥る。そして休む間もなく、今度は「アウトサイダー」のゴリっとしたリフが奏でられる。序盤の強烈な攻勢が印象的なGRのライブだが、今回は格別だ。武道館だからという気負いではないだろうが、この日は何か鬼気迫るような攻めの姿勢がうかがえた。それはラストのKISHOWによる咆哮からも感じられる。

あまりに濃密な冒頭3曲を経て、最初のMCへ。「今日は最高に熱いライブをやりますので、皆さん死ぬ気で盛り上がってください!」というKISHOWの宣言から、「tRANCE」へ。イントロで脳味噌をも揺さぶらんばかりなパイロの爆音を鳴らし、野性味溢れる疾走感を聴かせたあとは、トライバルなリズムとともにヘヴィーな「DECADENCE」と続く。中盤のラップ・パートが特にそうだが、武道館という場所なのにいやにプリミティヴなテイストが強い。いや、このケタ外れな野生こそがGRの魅力だ。そしてそのままセットは同じく『RIDE ON THE EDGE』収録の「mistake」へ。アルバムを伴うステージでないだけに、過去5年間の名曲たちがバランス良く配分されている。RODEOBOY&RODEOGIRLには堪らない構成だ。

KISHOWの「この日本武道館を日本一デカいディスコにしたいと思います」というMCを挟んで新曲「SEA OF STARS」へ。トランシーなシンセとディスコティックなビートが心地良いサウンドに、KISHOWは扇子を手にしながら怪しく歌う。そのあとは、物悲しいイントロとともに「ネジレタユガミ」がスタート。荘厳なヘヴィーネスがグイグイと腰に来る。

KISHOWとe-ZUKAがいったんステージを去ったあとは、2007年のファースト・ワンマンからGRサウンドを支え続ける瀧田イサムのベース・ソロ、長井“VAL”一郎のドラム・ソロ・コーナーが続く。そして、e-ZUKAによる超絶テクを存分に披露したギター・ソロ・コーナーのあとは、おなじみとなったホーン隊を交えての「BRUSH the SCAR LEMON」へ。ファンキーなグルーヴで中盤戦の幕開けを告げたあとは、そのまま「CANNON★BALL」へ突入。サビではAC/DCばりの大砲が実際に発射されるなど演出で度肝を抜く。「火薬くせ~!」とKISHOW。

続いてのMCでは、5年前よりさらに前の話題へ。「僕とe-ZUKAさんの、初めての共同作業」という、アニメ『君が望む永遠』のキャラソン「LAST SMILE」が久々にバンド・スタイルで披露される。プレGRともいえる切ない名バラードに酔い痴れたあと、ステージはおなじみアコースティック・セットへ。「なんとなく消したストーリー」、そして瀧田&長井を加えた4人での「RIDE ON THE EDGE」としっとりプレイし、いよいよセットは後半戦へ。

「cage」の不穏なイントロから続くのは、もちろん「カナリヤ」だ。ふたたびアグレッションを取り戻したステージは、いよいよクライマックスへと向かう。「シャニムニ」「modern strange cowboy」とパンキッシュなナンバーを、そしておなじみ「慟哭ノ雨」「ケンゼンな本能」とハイスパートな人気曲を次々と投下していく。そして、「GRANRODEO、始めた当初はまさか、まさか武道館でワンマン・ライブができるとは思いませんでした」というちょっとセンチなKISHOWのMCへ。たった2人でスタートした結成当初、その後初のワンマン・ライブを達成したこと、そのパンフにe-ZUKAが「LIVE AT BUDOKAN」としたためたこと……「本当に音楽をやっていてよかったな」と泣かせるセリフを言ったあとに放たれたのは、あまりに祝福的な「delight song」だ。本当に泣かせる締め括りじゃないか!

こうして会場のRODEOBOY&RODEOGIRLの誰もが、歓喜を胸に抱いたまま、本編は幕を閉じた。そして暗転した会場に待ち構えていたように叫ばれる「GRAN! RODEO!」のチャント。そんな願いに応えてスタートしたアンコールは、ここ最近のフィナーレを飾っていた「NOT for SALE」からスタート。おなじみタオルが乱舞する客席の模様は相変わらず壮観の一言だ。「本当にありがとう! 俺たちができるんだから、みんなの夢も叶うと思うよ。みんなも夢を持って頑張っていこうよ」と、いつになくストレートにe-ZUKAが口にすれば、「来年も再来年も武道館でみんなと会いたいと思います!」とKISHOWが力強く宣言する。あまりに力強く、心強いメッセージから、そのまま「Beautiful World」へ繋がっていく。彼らの生の、本音とともに鳴らされた音だからこそ、この名曲は感動的な輝きを放つのだ。

アンコールを美しく締め括ったあとのダブル・アンコールは、この日まだプレイされていない定番中の定番曲「Go For It!」が待ち構えていた。別れを惜しむように、いつもより長く繰り返される「IGPX!」のコール&レスポンス。GRの面々が会場の隅々まで煽りながら、またオーディエンスも残った体力をすべて吐き出さんばかりに叫びながら、長きに渡る夢のようなステージは終演を迎えた。

彼らを追いかけ続けたRODEOBOY&RODEOGIRLも、彼らを支え続けてきたスタッフたちも、そして何よりGRANRODEOの2人も念願だった、武道館公演がこうして実現し、幕を閉じた。そこに残ったのは大いなる感動だったのだが、加えてきっとまた近い将来に同じような光景に巡り会える、不思議とそんな思いも終演直後に感じていた。MCのなかで「これは通過点のひとつ」とKISHOWが頼もしく口にしていたが、虚勢でもなんでもなく、リスペクトする武道館を経たうえで、彼らは次のステージに進もうとしている。そこがまた武道館なのか、あるいはそれ以上の場所なのかはまだわからない。しかし「これで終わった」という感慨がない以上、あとはどれだけ彼らが巨大化していくのかを追いかけ続けていくほかない。

「ちょっとずつ大げさに、夢を叶えた」ロックスター。そこには最高のロックンロール・ショーがあった。しかし叶った夢の跡には、またさらなる夢が待っている。お楽しみは、これからなのだ。


<セットリスト>
01. We wanna R&R SHOW
02. Infinite Love
03. アウトサイダー
04. tRANCE
05. DECADENCE
06. mistake
07. SEA OF STARS
08. ネジレタユガミ
ベース・ソロ&ドラム・ソロ
ギター・ソロ
09. BRUSH the SCAR LEMON
10. CANNON★BALL
11. LAST SMILE styleGR
12. なんとなく消したストーリー
13. RIDE ON THE EDGE
14. カナリヤ
15. シャニムニ
16. modern strange cowboy
17. 慟哭ノ雨
18. ケンゼンな本能
19. delight song
アンコール
20. NOT for SALE
21. Beautiful world
ダブル・アンコール
22. Go For It!


GRANRODEO公式サイト:
http://www.granrodeo.net/


   




2010年05月28日

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