池毅30周年記念CD「イナズマChallenger」発売記念! 池毅&橋本潮インタビュー


――まずは今回、池毅先生30周年記念アルバム『イナズマChallenger』をリリースされたきっかけを教えてください。

  30周年ということはあまり意識していなかったんですが、数えてみたらそうだったという話なんです(笑)。事の発端は橋本(潮)さんが企画したライブで、彼女が「『ドラゴンボール』のコーナーをやるので、ぜひ観にきてください」という誘いがあったんです。全くの偶然なんですが、その数か月前に「魔訶不思議アドベンチャー」を歌っていた高橋(洋樹)さんに連絡を取る機会がありまして、彼女のライブにもゲストで出演されて「『ドラゴンボール』コーナーをたっぷり演ります」と。それで、作詞の森由里子先生と2人で観たところ「これは熱いなあ」と、こちらも鳥肌が立つくらい、いいライブを観させていただいて。急にその辺りのメンバーが集合しだして、そこから「何かやろうか」と。ちょうどあれが1年くらい前だよね?

橋本  ちょうど去年の6月ですね。

  ライブの打ち上げのときに結構盛り上がって、「やろうやろう、何かやろう」というのが形になったのがこれです。それで、考えてみたら30周年だった、と(笑)。冠に「30周年」と付けていただいたんですけど、その企画ありきではなくて、自然な盛り上がりという流れでした。

橋本  自然な盛り上がりでしたね。集まるべくして集まったというか、いいタイミングだったんだろうなと思います。

――今回は、「ロマンティックあげるよ」と「魔訶不思議アドベンチャー」のセルフカバーとリミックスに新曲も含めた内容ですが、この構成はどうやって決められたのですか?

  橋本さんと高橋さんがライブでコラボするじゃないですか。もう22年前のアニメですし、こういうライブで作品の主題歌がオープニングとエンディングが揃っていること自体初めての事だったんですが、オリジナルの歌手が揃って歌って。しかも、デュエットとかもやる訳ですよ。その時に歌っていたのが残念ながら僕の曲ではなかったので、「これは絶対に自分が書いた曲を歌ってほしいな」というのがありました。今回は新曲が2曲、ロックっぽい曲とバラードなんですが、当然デュエットにこだわった部分がありますね。さらに、オマージュも含めてセルフカバーをやって、リミックスも作ってもらおうかなと。いろいろな事が盛りだくさんにあったんですけど、最終的にはこの形になりました。デュエットの曲作りも時間はかかったんですけど、今のお2人に歌ってほしいというのは絶対に譲れなかったので、森先生とやりとりしながら作っていきました。一つは詞が先で、一つは曲が先みたいな形でしたね。

池毅&橋本潮――新曲2曲のうち、まずはCDのタイトルにもなっている「イナズマChallenger」についてですが、どういったイメージで楽曲制作をされましたか?

  いわゆる『ドラゴンボール』のイメージの延長線上にある曲をと。……ただ、もう22年も経っているので、みんなそれぞれ時間を経てきている訳ですよね。だから、そこは変によそ行きにならず自然体で、今の熱さを僕なりにイメージを膨らませました。曲を書く方としては、デュエットというのは課題が多くて難しかったんですが、「イナズマChallenger」に関してはメロディを先に作りましたね。“イナズマ”というところで、こじつけではないんですけど、お2人のライブを見た時にイナズマが走ったというか、衝撃を受けたんですよね。作家冥利に尽きるという部分もありまして、それをそのまま素直に僕は楽曲にし、森さんは詞にするという、いいものができたなと思ってます。

――ライブの衝撃が大きかったんですね。

  いい形でライブを見る機会は、なかなかないんです。本当に豪華な2人が並んでライブをやっているというのを初めて観まして。高橋さんはずっと表に出ていたわけではなくて、実は潜伏してきた時間が長かったんですね。ここにきて、またライブ活動をやりたいという気持ちもすごく伝わってきて、そこでストレートに感動が伝わってきたと言いますか、心を動かされたというか。こう言っちゃうと恥ずかしいですけど(笑)。それが本当に素直な感想ですね。これは形にしなきゃマズイだろと。それは橋本さんも然りで。

橋本  私も、ワンマンライブをやるのは10何年ぶりだったんですけど、企画からセッティングまで全部自分でやりました。とにかく歌わせて! みたいな(笑)。

  歌いたいという想いが2人からひしひしと伝わってきました。

――そういうパワーが曲になったんですね。もう一方の新曲「碧い星に生まれて」ですが、こちらは詞が先にできたとおっしゃっていましたが。

  はい。『ドラゴンボール』の世界の延長線上にあるような、“愛”や“宇宙”といったスケールの大きい詞をいただいたので、「これは負けちゃいかん」と(笑)。自然に作ったらバラードになったんですけど、まったく対極にあるような曲が2つ新しくできました。

――橋本さんが池先生の曲を歌われるのも久しぶりになるのですか?

  橋本さんは教育テレビとか、いろいろとレギュラーがありまして、ご一緒する事が多かったんです。そういうところでずいぶん手伝っていただきました。

橋本  “歌を歌う”という事はずっとやっていたんです。ただ、こうやって新しい企画で、今回は『ドラゴンボール』のイメージですけど、アニメに関連したような曲を歌うのは本当に久しぶりで、「ああ、アニメの歌に戻れるの。うわぁ、ラッキー!」みたいな(笑)。

――高橋さんとレコーディングでデュエットされるのは初めてですか?

橋本  初めてでした。スタジオで「高橋さんって、デュエットはやった事はありますか?」と聞いたら、「いや、まったく初めてです」って(笑)。もともとバンドでずっとリードボーカルで歌っていらした方なので、デュエットはやった事がないと。

  人に合わせた事がない、と(笑)。それはもうね、ソロ歌手の宿命、特権ですから。

池毅&橋本潮橋本  「私ついていきます」みたいな(笑)。「ついていかせていただきます!」みたいな感じで歌いました。

――『ドラゴンボール』のOPテーマとEDテーマを歌われていた2人がデュエットするというのは、当時リアルタイムで見ていた僕も話を聞いて興奮しましたよ!

橋本  ライブの時の話になりますけど、「本当、初めてですよね。こうして2人で歌うのって」と言ったら「そうですよね」と。お互い顔を見合せて、「はぁー」って(笑)。本当に感慨深いものがありましたね。今まで無かったのが不思議なくらいだなって。2人が一緒のステージに呼んでいただく事というのが、今までなかったんですよ。

――さて、今回はセルフカバーということで、最初のレコーディング当時の事をうかがいたいと思います。22年前、この2曲を作られた時は、どういった形で進められたんですか?

  実を言うと、『ドラゴンボール』はあまり読んだことなかったんです、『アラレちゃん』は知っていたんですが。ある日コンペが有るからと「ロマンティックあげるよ」、「魔訶不思議アドベンチャー」の詞をいただいたんですが、「ロマンティックあげるよ」は1週間くらいかけました。「魔訶不思議アドベンチャー」は、たぶん1日~2日くらいで作りました。それで、結果を待っていたら、「池さんの曲で両方決まりました」と。

――すでにボーカリストが高橋さん橋本さんという事は決まっていたんですか?

  いや、あの頃は誰が歌うかというのは、作っている時は知らなかったと思います。ただ女性か男性かという区別を聞いているくらいで。当然、作詞の方もそうだと思いますが。スタジオに入って、橋本さんと高橋さんに初めて会ったんですが、確か、ちゃんと挨拶もしてなかったよね。

橋本  ガラス越しに(笑)。

  こっちはミキサー卓の前でディレクターと2人でいて。他にはミキサーさんがいて、あとはソファーに背広を着た人がずらーっと。ジーパンなのは僕とディレクターだけで(笑)。レコーディングは、潮さんが先だったかな。

池毅&橋本潮橋本  はい、私が先。

  「ロマンティックあげるよ」から始まって、高橋くんへ。だいたい2時間ずつくらいでしたね。もうギリギリのスケジュールでやっていますから、スタジオはそういう状況でした。あまりお話もできないまま、結局そこから高橋くんとは20何年会う機会が無かったんですね。

橋本  私も会っていませんでした。

  潮さんはまだ売り出し中の……なんていうか、ジャンルは何なるのかな? アイドルアニメ歌手みたいな(笑)。

橋本  そうですね、もしかしたら、括りとしてはそういうアイドルアニメ歌手の走りかもしれないです(笑)。

  レコーディングからしばらくして放送が始まりますよね。7時にポーンと太陽が出てきて、曲が始まって、本編が終わって「ロマンティックあげるよ」が流れる。30分見終わって、「あ、本当だったんだ」みたいな(笑)。

――橋本さんは、そのレコーディング当時のことは覚えていますか?

橋本  いただいた曲が、とても当時としてはアニソンっぽくなかったと言いますか、どちらかというとアイドル路線っぽい曲かな? という感じがしましたね。だから、普通に歌っていいのか、どうやって歌ったらいいのか悩んでいて。ディレクターが「ポップに明るくアイドルっぽく」と。でも、「アイドルっぽくって何?」みたいにアイドルの歌もよく分からなかったんです(笑)。キョンキョンに近いのかな? 松田聖子さんに近いのかな? という感じで、すごく躊躇しましたね。「どうしよう、どうやって歌ったらいいんだろう?」と。

――最近でも中川翔子さんがカバーされたりと、今もなお脚光を浴びている楽曲だと思うのですが、最初のレコーディングから22年を経て、今回セルフカバーをされるにあたって、変えようとされた部分はありますか?

池毅&橋本潮  変えるという意識はあまりなかったんですけど、当然全員が歳をとっていますから、そこは無理のない形にしましたね。だって、同じキーだもんね。

橋本  テンポも同じだし。

  ただ、歌は圧倒的に今の方が上手くなっていますね。やっぱり経験してきた事がそのまま歌に出ているのではないかと思いますし。当時は勢いで、訳の分からないまま進んでしまったというのがありましたね。今回は立ち上がりからみんなでじっくり考えましたし、テンションをずっと維持しながら準備万端で臨んだところがあります。オリジナルの編曲は田中公平さんなんですけど、今回も田中公平さんにお願いしたら、彼は今、自分の曲しかアレンジしないということだったんです。ですが、「僕の信頼するアレンジャー、根岸貴幸さんという方を紹介します」、と言ってくださって監修にまわっていただきました。両曲とも、当時のアレンジを壊さず新しいフレイバーも入れるという、素晴らしいアレンジをしていただいて。僕も全部の段取りに立ち会うようにして、すごく納得のいく進行でした。大きな違いといえば、そこですね。気持ちの問題と、あと圧倒的に歌は今の方がいいと。やっぱりやった意味があったなあと思います。

――橋本さんは22年ぶりの「ロマンティックあげるよ」をレコーディングされて、いかがでしたか?

橋本  22年間、オリジナルのカラオケで歌ってきた訳じゃないですか。オリジナルのテンポや歌い方が身に染みついているので、リアレンジされた音で歌うのは「こんなに苦労した事はないな」と思いました。今回のちょっとボサノバっぽい、ちょっと大人っぽいけどキラキラしているようなアレンジで、改めてこの歌に息を吹き込まないといけないと思って、歌い方にすごく悩んでしまったんですよ。すごく苦労しましたね。

――改めてこの曲と向き合う、と。

橋本  そうそう。まったく別物だって考えなきゃいけないんだと。「ロマンティックあげるよ」という曲なんだけど、全く違う曲なんだって考えなきゃいけないと気付いて。そこからですよ。

  作曲の立場で言うと、メロディラインがボディであれば、アレンジは洋服なんですよね。しかも、「ロマンティックあげるよ」や「魔訶不思議アドベンチャー」というのは、いまだに支持されている曲で、皆さんの耳にこびりついている部分がある。たとえば「僕はTシャツじゃなきゃいけないんじゃないか」とかね、ずっといわゆる制服みたいになっちゃう。でも、別にそれに「スーツを着てもいいんじゃない?」とか、そういう感覚なんですよ、今回は。「ロマンティックあげるよ」の方がちょっとよそ行きになったかな、オシャレになりましたね。

橋本  そうですね、よそ行きかもしれないですね、うん。夜聴いてもいいし、昼間のティータイム、ブレイクでも聴いてもいいし、どっちでも対応できる曲なんかじゃないかなと。すごくオシャレだと思いますよ。

――またその他には、「ロマンティックあげるよ」と「魔訶不思議アドベンチャー」のリミックス、あと「魔訶不思議アドベンチャー」の英語バージョンが収録されています。これを入れる事になったのはどういう経緯があったんですか?

  これはプロデューサーの発案でもあるんですけど、リミックスされるということは名誉なことだなと。元の楽曲の認知度がしっかりしていないとやりづらいと思うんですよ。今回、あがってきたものを聴かせてもらったらすごく面白かったですね。こういうふうに組み替えたり、いろいろなギミックを入れたりというところで、逆に楽しめた部分もあって、すごく嬉しかったです。英語バージョンに関しては、高橋さんも海外のイベントで歌われたり、他の国の言葉でカバーされているバージョンもあったりする中で、オリジナルのシンガーが英語で歌っているバージョンもあったら、英語圏の人は嬉しいんじゃないかなと。この曲がワールドワイドの曲になっているというか、そういう事ですかね。英語詞も、作詞の森さんが自ら書きたいと希望してくださって、書き下ろしていただきました。

――この歌詞も面白いですよね、英語だけどサビでは“MAKAFUSHIGI/魔訶不思議”と。

  そうそう。そこは日本人である誇りを入れようと。

池毅&橋本潮

橋本  レコーディングの時に、英語の発音をレクチャーされる方がいらっしゃったんですよ。出来上がった歌詞を『マザーグース』のようにずっと朗読してくれたんですよ(笑)。「こういうふうに発音するんですよ」って。

  英語の授業を受けているような(笑)。

橋本  そう。英語の授業みたいで神妙になりましたね。「はー……」と、とても崇高なものを聞いているようで(笑)。

――さて、このアルバムを作ったきっかけはライブということで、この新曲を引っさげてのライブというのも見てみたいですね。

  思い描くんですけどね、なかなかその……。

橋本  企画力がなかなか。池先生がよく「潮、やれよやれよ」って言うんだけど、すごくパワーがいるんですよ(笑)。

  去年のライブも大変だったと思いますけど、やっぱりそれは歌が支持されて、皆さんに聴いていただいて、その皆さんの声が大きくなれば是非ね。まだお披露目したばかりなので、まずはいろいろな方に聴いていただいて。

橋本  5月の下旬に友達のライブに出演させていただいたんですが、その時に「本邦初公開!」という形で「ロマンティックあげるよ」のニューバージョンを歌ったんですけど、かなり反響があったんです。「うわあ、オシャレだねー!!」って。だから、多くの方に聴いていただきたいですね。

――ありがとうございます。ところで、今回のタイトル「イナズマChallenger」にちなんで、今年の残り半分でチャレンジしてみたいことはありますか?

橋本  チャレンジですか。「海外のステージで歌いませんか」と個人的にオファーをいただくんですが、今までは少し難しいところがあって断っていたんです。これからは、そこをちょっと私もチャレンジしてみたいなと思いまして。

  僕も海外からオファーがあればいいんですけどね(笑)。曲のほうはなかなか。でも、特にチャレンジうんぬんというよりはこのスタンスをあとどれくらい続けられるかというところで、テンションを落とさずに「まだ走るぞ」という再確認をできたかなと。これは『ドラゴンボール』というイメージの中での挑戦ですけど、また10年、20年して、同じメンバーで何かできたら、それはまた素晴らしい事だと思います。たぶん、『ドラゴンボール』という作品は、その時でも世界中で支持されていると思うんですね。だから、それに負けず、さらに10年、20年経って僕らがメッセージを発信できたら最高かなと。そういうところまで、テンションを落とさず、走りましょう。

橋本  頑張ります。

  これはなかなかいい話になった(笑)。そんなところです。

――では、最後に読者へメッセージをお願いします!

池毅&橋本潮橋本  『ドラゴンボール』の22年間の思いがまた新たな形になりました。是非、皆さんに聴いていただければなと思います。よろしくお願いします。

  僕もまったく同じですが、またこの続きも楽しみにしていただきたいですね。

橋本  To be continuedと。

  そう、これで終わりではないです。本当に自信作なので、なるべく多くの方に聴いていただいて、このアルバムから元気をもらってください。

――今日は本当にありがとうございました!




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抽選および当選通知について:
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イナズマchallengerイナズマchallenger
2008年6月4日発売
品番:KDSD-00210
税込価格¥1,600


収録内容:
01. イナズマchallenger / 橋本潮&高橋洋樹
02. ロマンティックあげるよ(21st century ver.) / 橋本潮

03. 魔訶不思議アドベンチャー!(21st century ver.) / 高橋洋樹
04. Mr.ドリームを探せ(21st century ver.) / 橋本潮
05. 碧い星に生まれて / 橋本潮&高橋洋樹
06. ロマンティックあげるよ(Funta Remix) / 橋本潮
07. 魔訶不思議アドベンチャー!(Nao Remix) / 高橋洋樹
08. イナズマchallenger(Instrumental) / 橋本潮&高橋洋樹
09. ロマンティックあげるよ(21st century ver. Instrumental)
10. 魔訶不思議アドベンチャー!(21st century ver. Instrumental)
11. Mr.ドリームを探せ(21st century ver. Instrumental)
12. 碧い星に生まれて(Instrumental)
13. 魔訶不思議アドベンチャー!(English ver.) / 高橋洋樹




2008年06月24日

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